ScanSnapには、標準で名刺の読取りソフト「名刺ファイリングOCR」が付属している。OCRの認識率は必ずしも高いとはいえないが、せっかくのアプリなので、以前は名刺の管理に使っていた。最近、さぼっていたが、iPhoneの名刺管理に使えないかと思っていた。
iPhoneのBizCardsというアプリを発見し、CSVファイルと画像を同時に取込めると知り、名刺ファイリングOCRからの取込みに挑戦したところ、うまくいったので紹介したい。なおWindowsXPで作業は行っている。
なおBizCardsの使い方についてはAppBankの「Biz.Cards: 機能良し、デザイン良し、使いやすさ良しの3拍子揃った「名」名刺管理アプリ。785」の記事を参考にしてもらいたい。名刺がいつでも手元にあるのはとても便利なことだ。

1.必要なツール
2.名刺ファイリングOCRに名刺の取込み
ScanSnapで、名刺ファイリングOCRに名刺を取込む。
名刺を予め会社順にならべ、取込むのだが、名刺の枚数が少なく、時間があるならば、OCRの読取り精度の悪さを手動で補い、すべての項目を取込むとよい。あとでどう使うかは不明だが、満足度が高い。
私の場合、数年分の名刺1000枚近くをまとめて取込むこととしたので、住所や電話番号など細かいところは目をつぶって、勝間和代が何かの本で紹介していたが、姓名、会社名だけを取込むことにした。(勝間氏は、Emailも取込んでいたと思う。)
何を取込むかは、あなたの時間次第である。
BizCardsでは、電話番号があれば電話が、Emailがあればメールが、住所があればマップが使えるようになるので、多く取込んだほうがより便利である。
しかし、それらは名刺の画像で確認できるので、よく使う人は、連絡先に登録すればよいだろう。
3.名刺ファイリングOCRからエクスポート
- 名刺ファイリングOCRのホーム>エクスポート>Jアドレス形式>
- 保存先のフォルダーを指定>
次に、名刺データを指定する。
私の場合、最低限の指定となっており
右側の
なお、住所や電話番号など取込んだ場合は、それぞれの項目を選択するとともに、右側の「住所を都道府県、市町村、番地に分割する」「住所(続)を住所に含める」にチェックを入れておこう。
4.エクスポートしたデータをエクセルで加工する
エクスポートしたファイルexport.jadは、CSV形式のテキストデータである。
エクセルでファイルの種類の欄で「すべてのファイル(*.*)」を選択し、export.jadを開き、あとはカンマやタブ区切り>カンマにチェック>
データのプレビューで、列のデータ形式を番地、郵便番号、電話番号などは文字列に指定する。番地の欄が1-1-1の場合、標準だと「2001/1/1」に変換されてしまうので悲しくなってしまうから注意しよう。
列の見出しを、マニュアルで指定されている見出しに変更する。
- 私の場合、「Last、First、LastP、FirstP、Organization、image」
なお、会社名、姓名の読みガナでソートして会社名がただしくOCRで認識されているか確認しておくとよい。
カタカナの「ー」「タ」「ニ」「エ」や英字の全角・半角などが誤って認識されている場合があるので、ここでも一手間かけてきちんと確認した方が、あとで悲しい思いをしないですむ。
住所や役職などいろいろと取込んだ人は、それに見合った見出しを指定する。
そして1列目などの不要な列を削除して、「contacts.csv」という名称で保存しよう。
なお、氏名の半角カタカナはBizCardsの読込み時に自動的に全角ひらがなに変換されるので、ひらがなに直す必要はないようだ。ひらがなに直すのであれば、エクセルだと、「EXCELのひらがなを全て半角カタカナに置き換える方法」を参考にして、変換すると良い。
5.画像データの内容を修正する
次にcontacts.csvをサクラエディタやメモ帳などのエディタで開き、画像の欄に書かれている「C:\(名刺ファイリングOCRのフォルダ)\標準\」という部分を置換を使って削除する。(置換え後を空欄に指定)さらに画像の「tif」という拡張子の部分を置換を使って「jpg」に置換える。
するとimageの欄のデータが「1a_N1.jpg」というようなファイル名になっていれば完了。
もしも、見出しやデータが「"」で囲まれていたときは、これも置換を使って削除してしまおう。
そして上書き保存しておこう。
6.画像データの加工
名刺ファイリングOCRでは通常の名刺のイメージファイルが標準というフォルダーに納められている。tif形式のファイルにはどうやらいろいろな種類があるらしく、tif画像を見ることができるアプリをいろいろ試したが、なかなか見つからない。ようやく見つけたのがIrfanViewという画像変換アプリだ。tif画像をみるだけではなく、jpgへの変換もできる。これを使って名刺のイメージを変換しよう。なお、ファイル名に「_N1」とついているのが表面、「_N2」とついているのが裏面の画像だ。
まず、取込んだ名刺の画像をさきほどの名刺データを入れたフォルダーに「image_tif」とでも名付けたフォルダーにコピーしよう。もしも今回作成したデータが名刺の一部なら、タイムスタンプを確認するか、さきほどのCSVファイルの画像で対象データを確認。なお、この段階では表面画像にこだわる必要はなく「N1」「N2」ともまとめてコピーすれば良い。このとき、エクスプローラで標準フォルダーを「*_N1.tif」で検索をかけて「*_N1.tif」という表面の画像だけをフォルダーに移動する。
次に、jpgに変換した画像のフォルダーを保存するフォルダー「image_jpg」を作成しておこう。
それでは変換作業に入る。
IrfanViewを起動して
設定
- 機能の選択:ファイル形式の一括変換
- ファイル形式の一括変換の設定
- 変換後の形式:JPG-JPG/JPEG Format
- 保存フォルダ:「image_jpg」フォルダを指定
- ファイルの場所:tifファイルをコピーした「image_tif」フォルダーを指定
- ファイル名:*_N1.tif(こうすることでN1の画像だけを選択できるのだ)
- ファイルの種類:TIF - Tagged Image Format
- 「全て追加」ボタンをクリック
- 選択したファイルに対象画像の一覧が記載されているのを確認
- 最後に実行ボタンを押す
「image_jpg」フォルダーにjpg画像が置かれているのを確認
7.圧縮ファイルを作る
圧縮用のフォルダー「meishi」を作り、そのフォルダーにcontacts.csvとjpg画像をコピーして納める。
contacts.csvと画像を全選択。
- 全選択されている状態でcontacts.csvのところで右クリック
- 送る>圧縮(ZIP形式)フォルダー>はい
で圧縮の実行
※なお、ファイルのあるフォルダーを圧縮してBizCardsで読込んだら、unzip errorと表示されて失敗しました。
フォルダーそのものが圧縮ファイルに含まれるためエラーになったもよう。
あくまでも、中身だけを圧縮する必要があります。
するとcontacts.zipというフォルダーができあがり。
8.ファイルの取込み
PCと同じWifi環境下でiPhoneのBizCardsを起動し、iマーク>WEBサーバー
そこに表示されているアドレスにブラウザで接続。
「Add csv-zip Data」でさきほどのzipファイルを取込めば、うまくいくはず。
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